写真家 佐藤岳彦 Takehiko Sato

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 今年の出会いをザッと並べてみました。いろいろ書きたいことがあった気もしますが、だらだらしているうちになんだか萎えてしまいました・・・。

 これから仙台へ帰ります。皆様よいお年を!

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  1. 2010/12/31(金) 23:41:19|
  2. 未分類

囮目の目纏

メマトイ


 涙を舐めるメマトイ。お腹はすでにはちきれんばかりです。

 この日は二人で山に入るなり、メマトイ軍団の襲撃を受けました。これは御誂え向きとばかりに片割れを囮にしてさっそく撮影開始です。普段なら目にもレンズにも纏わりついて至極鬱陶しい存在なのですが、粘っこく撮影してると少しばかりの情といいますか、愛着というものがわいてきます。やはり濃密な時間を共に過ごしてしまうとダメなんですね。

 写真の囮目は、どこか伏し目がちで憂いの目に見るかもしれませんが、単に下睫毛に止まるメマトイちゃんが見たいのです。決して囮を無理強いされて悲しげなわけではないので悪しからず。むしろ言いだしっぺは囮目の方でやる気が満々なんですから。

 ちなみにメマトイというのは目に纏ってくるハエの総称でしてショウジョウバエ科やヒゲブトコバエ科、イエバエ科、キモグリバエ科などの数科に渡ってメマトイという名が使われています。目にやってくるのは涙からタンパク質を摂取するためなどとも言われてますが、詳しくはわかってないようです。

 またメマトイは東洋眼虫Thelazia callipaedaという線虫の中間宿主であり、ヒトやイヌ、ネコ、タヌキ、キツネ、サルなんかに媒介するこが知られています。西日本、特に九州からの感染報告が多く、近年は東日本からも報告されています。日本における中間宿主としてはショウジョウバエ科Amiota属のマダラメマトイA. okadai 、オオマダラメマトイA. magna 、ナガタメマトイA. nagatai 、カッパメマトイA. kappa などが知られ、全てのメマトイ類が宿主となっているわけではないようです。

 症状について調べてみると、日本獸醫學雜誌 第28巻 学会号に面白い発表要旨が載っていました。「東洋眼虫Thelazia callipaedaの自己供試人工感染例について」という演題で、宮崎大の永田らは東洋眼虫を自分と奥さんの目に感染させその経過を観察しているのです。症状としては眼脂、異常感、異物感、濾胞、点状出血班などが出たそうですが、奥さんの方は全く何事もなかったそうです。他の寄生虫でも研究者が自らに寄生させてしまう話を聞いたことがありますが、自分で試してしまうところがなんとも好いですよね。巻き込まれる奥さんの方はたまったもんじゃないかもしれませんが。


 果たして、わたしが自身の目に東洋眼虫を飼い始めたら、濃密な時を共にして少しばかりの情というものがわいてくるのでしょうか・・・。そんなことになったらいつか報告したいと思います。
 
Amiota sp. ? , 2010, Yamanashi, Japan)

テーマ:生き物 - ジャンル:写真

  1. 2010/12/19(日) 14:27:44|
  2. その他の旅

黄蝶と紅蜆

ベニシジミ


 気がつけばこんな季節になってしまった。いつもの谷戸をやや呆然気味でぐるりと見渡す。コナラはだらしなく色づき、風がびゅるりと吹くたび葉は宙を舞い青空に映えた。頼りない陽光は早くも傾きはじめ、黄色いシロチョウがふらふらとやってくる。キタキチョウだ。その飛び方もまた陽光と同様に頼りなく、陽が雲に隠れるとサッと藪の中に潜り込んだ。わたしのいる場所とその藪の間には幅1メートルほどの小川が流れていた。少し迷ったがそれをひょいと飛び越え、そっと藪へと近づいた。キチョウはシダの葉裏にしがみつきじっとしている。葉がごちゃごちゃと入り乱れ、カメラをねじ込むのもやっとである。座り込んでしばらく眺めていると、じわじわと足のほうから冷えてきた。キチョウもそうであるのか、丁寧に触覚同士をくっつけ、それを前翅の内側へと押し込んだ。その様は妙に蠱惑的であった。今日はこのままここで寝てしまうのだろうか。随分早い就寝だが、この季節では仕方があるまい。暖かい日にはまた動き出すのであろう。明日かあさってか、それとももうちょい先か。そして写真は全く関係のない春のベニシジミ。いや撮影場所は同じだから全く関係なくもないか・・・。


Lycaena phlaeas daimio, 2010, Kanagawa, Japan)
  1. 2010/12/11(土) 19:00:10|
  2. 近所をウロウロ/My neighborhood

プロフィール

Takehiko Sato

Author:Takehiko Sato
写真家 佐藤岳彦

1983年 宮城県生まれ、東京都在住。
大学院(森林動物学)中退後、フリーランスに。
傍らの自然から熱帯のジャングルまで、「密やかな野生」を軸に生命の織り成す世界を追いかけている。

キーワード
「生命、多様性、生死、つながり、生態系、細部、小さきもの、陰なるもの、見えにくいもの、密やかな野生」


WEB SITE
Tef Tef Life


E-mail: mothnake@yahoo.co.jp


News
写真集
生命の森 明治神宮」講談社より発売中。




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